
「豊尻手術は危険」
「ブラジリアンバットリフトで死亡事故が起きた」
「BBLはやめた方がいい」
豊尻(ほうこう)治療に興味があっても、インターネット等で検索すると、このようなネガティブな情報を目にして不安になっている方も多いのではないでしょうか。
実際に海外では豊尻手術後の死亡例や重篤な合併症が報告されており、一時期は美容外科手術の中でも特に死亡率が高い手術として問題視されました。
しかし、その原因を正しく理解すると、「豊尻手術そのもの」が危険なのではなく、危険な方法で行われた豊尻手術に問題があったことが分かります。
本記事では、
- 豊尻術で死亡事故が起きた理由
- 注入剤による豊尻の危険性
- ブラジリアンバットリフト(BBL)のリスク
- 安全な豊尻術とは?
について豊尻手術をはじめ、バストやウエストの治療を専門とする美容外科医が解説します。
Contents
豊尻は本当に危険なのか
結論から言うと、すべての豊尻術が同様に危険なのではありません。
問題となった死亡例の多くは、
- 筋肉内への脂肪注入
- 注入剤による豊尻
- 不適切な施術環境
- 不十分な麻酔管理
などが関与していたと考えられています。
豊尻で死亡事故が起きた原因① 注入剤による豊尻
過去には
- 注入用シリコンゲル
- アクアフィリング
- ヒアルロン酸
など様々な注入剤が豊尻に使用されてきました。しかし、
- 感染
- 異物反応
- しこり
- 壊死
- 血流障害
などの問題が報告されています。
日本美容外科学会(JSAPS)も乳房への注入剤豊胸について強く警鐘を鳴らしており、臀部でも同様に異物を大量に注入する治療には慎重であるべきと考えられます。
豊尻で死亡事故が起きた原因② 無資格者による施術
海外では近年医師免許を持たない人物による施術によるトラブルが問題となっています。
当然ですが、豊尻手術は
- 解剖学に精通していること
- 形成外科の知識や経験
- 脂肪吸引・注入技術
- 麻酔管理
などの高度な知識・技術が求められる手術です。
なぜブラジリアンバットリフト(BBL)は危険と言われるのか
最も問題となったのは、肺脂肪塞栓症(Pulmonary Fat Embolism)です。
脂肪をお尻の筋肉内へ注入した際に、脂肪が大臀筋内の太い静脈へ入り込み、肺へ流れてしまうことで発生します。
2017年に発表されたASERF(Aesthetic Surgery Education and Research Foundation) Task Forceの報告では、198,857例の豊尻脂肪注入術の解析から、筋肉深層への脂肪注入を行う術者で、死亡例および非致死性肺脂肪塞栓症の発生率が有意に高かったことが報告されました。
この報告を受けてASERFは以下の安全指針を提唱しています。
- 深層筋肉内への脂肪注入を避ける
- 4.1mm以上の単孔カニューレを使用する
- カニューレを下向きに操作しない
- カニューレ先端の位置を常に三次元的に把握する
- カニューレを動かしながら脂肪を注入する
などです。さらに近年では、脂肪は筋肉内ではなく皮下層へ注入することが国際的なコンセンサスとなっており、多くの学会や安全勧告で推奨されています。
一次情報(参考文献)
- Mofid MM, et al. Report on Mortality from Gluteal Fat Grafting: Recommendations from the ASERF Task Force. Aesthetic Surgery Journal. 2017. DOI: 10.1093/asj/sjx004
- Del Vecchio D, et al. Practice Advisory on Gluteal Fat Grafting. Aesthetic Surgery Journal. 2022.
- ASERF Safety Recommendations for Gluteal Fat Grafting.
ロシッククリニック銀座が考える「アジアンバットリフト」

施術内容:20代 ブラジリアンバットリフト
リスク:内出血、血種、感染、痛み、傷口の赤み、硬さ、しこり、色素沈着、皮膚の知覚低下・過敏、左右差
費用:ブラジリアンバットリフト:1,210,000円 ※モニター割引あり
海外のBBLは「とにかく大きなお尻を作る」ことを目的にしている場合があります。そのため大量の脂肪注入が必要となり、筋肉内への注入リスクも高まります。
一方で日本人を含むアジア人が求めるのは、必ずしも巨大なお尻ではありません。ロシッククリニック銀座では、足し算と引き算のバランスという考え方を重視しています。具体的には、
- 腰
- 太もも外側
- HIPDIPS(ヒップディップス)周囲
の余分な脂肪を吸引し、お尻の凹みやボリューム不足部分へ脂肪を移植します。
これにより、単純に大きくするのではなく、「プリっと丸いお尻」を目指します。
またこのアジアンバットリフトの考え方では大量の脂肪注入を必要としないため、脂肪を筋肉内へ注入することなく、より安全な層(皮下脂肪層~筋膜上)への注入のみで行うことができます。
アジア人好みの美尻を目指すだけでなく、何より安全性を最優先に考えた手術方法です。
麻酔管理も安全性を左右する
見落とされがちですが、豊尻手術では麻酔管理も非常に重要です。豊尻手術はうつ伏せで行う時間が長く、呼吸管理が重要になります。
ロシッククリニック銀座では、必ず麻酔科専門医が麻酔管理を担当します。
執刀医が手術をしながら静脈麻酔で麻酔管理することはありません。
患者様の全身状態を監視する麻酔科専門の医師を必ず別に配置することで、より安全な手術環境を整えています。
豊尻を検討するなら確認すべき3つのポイント
① 注入剤による豊尻ではないか
大量の異物注入は推奨できません。
② 筋肉内への注入を行っていないか
脂肪塞栓リスクとの関連が指摘されています。
③ 麻酔科専門医が常駐しているか

手術の安全性に直結します。
まとめ
「豊尻は危険」「BBLはやめた方がいい」と言われる背景には、実際に海外で報告された死亡事故があります。しかし、その多くは
- 筋肉内脂肪注入
- 注入剤による豊尻
- 不適切な施術環境
が関与していました。
大切なのは豊尻術を避けることではなく、どのような方法で、誰が、どのような環境で行うかを見極めることです。
ロシッククリニック銀座では、アジア人の骨格に合わせたアジアンバットリフトという考え方のもと、安全性を最優先にした豊尻治療を行っています。
監修医師
小野 准平(おの じゅんぺい)
ロシッククリニック銀座 院長
形成外科医として、豊胸術・豊尻術・脂肪吸引を中心としたボディデザイン手術を専門とする。
豊尻術においては、海外で問題となったブラジリアンバットリフト(BBL)の合併症や安全対策について継続的に研究を行い、日本美容外科学会(JSAS)をはじめとした学術集会でも豊尻術に関する発表を行い、豊尻術の普及と安全性向上に取り組んでいる。
特に、アジア人の骨格や筋肉・靭帯構造に着目し、「大きさ」だけを追求するのではなく、「安全性」と「自然な美しさ」の両立を目指した『アジアンバットリフト』という考え方を提唱。
腰や太もも周囲の余分な脂肪を取り除きながら、お尻の凹みやボリューム不足部分へ脂肪を移植することで、アジア人に適した丸みのあるヒップライン形成を行っている。
FAQ
豊尻手術で死亡することはありますか?
海外ではブラジリアンバットリフト(BBL)後の死亡例が報告されています。
多くは脂肪が血管内へ流入して起こる肺脂肪塞栓症によるものと考えられています。塞栓症を回避するには筋肉内への脂肪注入を行わないことが重要です。
ブラジリアンバットリフト(BBL)はやめた方がいいのでしょうか?
すべてのBBLが危険というわけではありません。重要なのは、
- どの層へ脂肪を注入するのか
- 筋肉内へ注入していないか
- 麻酔環境は安全か
です。クリニック選びが重要になります。
ヒアルロン酸や注入剤による豊尻は安全ですか?
当院では推奨していません。
異物反応、感染、しこり、変形などのリスクがあり、長期的な安全性も十分に確立されていません。
ロシッククリニック銀座のアジアンバットリフトとは何ですか?
単純にお尻を大きくするのではなく、
- 腰回り
- HIPDIPS(ヒップディップス)周囲
- 太もも外側
などの余分な脂肪を吸引し、必要な部分へ脂肪を移植することで、アジア人に多い骨格の特徴を活かした「プリっと丸いお尻」を目指す治療です。
豊尻手術で麻酔は危険ですか?
どの手術でも麻酔にはリスクがあります。特に豊尻手術では長時間うつ伏せになるため、呼吸管理が重要です。
当院では麻酔科専門医が麻酔管理を担当し、執刀医が手術と麻酔を兼任することはありません。